移住の話

海の見える土地探し

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購入した土地
購入した土地の当初の状況

絶対条件

沖縄本島に土地を探すこととなったわけですが、「海の見える場所にログハウスを建てる」というのが妻の希望条件です。

希望条件というと「そうなるように努力してね」というレベルの条件のように聞こえますが、決してそうではありません。

「海が見えなきゃ許さない」「ログハウス以外あり得ない」というハイレベルな要求であり、1ミリも妥協を許さない絶対条件なのです。

ネットで検索

沖縄は海に囲まれているわけですから、海の見える土地など選ぶのに迷うくらいたくさんありそうです。

確かに検索してみると、これでもかというくらいヒットします。
条件で絞り込む前に、どんな物件があるのかなぁという冷やかし感覚で次から次へと細かく見ていきました。

さすがにリゾート王国です。

「歩いて1分、目の前が海」なんて物件がいくつもありました。
ただし、お値段がべらぼうです。
リゾート開発の会社をターゲットにした物件なのかも知れません。
個人で購入するには広すぎる物件も多かったように思います。

下見の前に電話

「さあ沖縄へ」でも触れていますが、数多くの物件を見続けているとさすがに学習するわけで、自分の求めている環境に近い物件へと絞り込まれてきます。

自分が納得できるまでネット上で比較検討を加え、有力候補をピックアップしました。
そして現地確認の順路や日程を組み、それらの物件を扱う不動産会社に事前電話を入れます。

その際、「近々現地を見に行きたいのですが、どなたかにお断りしてからでないと見られないですか?」と付け加えるのを忘れないようにします。

この魔法の言葉によってこちらの本気度が伝わるはずで、耳寄り情報をゲットできるかも知れません。

災害に備える

私が物件探しで特に注意を払ったのは、その土地が災害に強いかどうかということです。

台風の多い沖縄で生活するには、風水害、土砂災害、高潮に要注意ですし、地震による津波も気になるところでした。

そこで役に立ったのが、沖縄県企画部総合情報政策課が公開している「沖縄県地図情報システム」です。
その「防災」ページで津波浸水、高潮浸水、土砂災害、山地災害について地図で確認できるため、気になる物件の位置と照らし合わせてチェックしました。

昨今の異常気象による尋常ではない自然災害を目の当たりにすると、3年前にこだわり抜いた防災チェックについては自分を褒めたいと思います。

皆さんお気づきと思いますが、海の見える土地は往々にして津波や高潮に弱いことがあります。

では、津波や高潮に強い高台で、かつ海が見える土地はというと、今度は土砂災害や山地災害に弱いという面があることもあるのです。

探しに探し抜いて、このシステムで引っかかったときの敗北感、おわかりになりますか?
泣く泣くあきらめるのですが、今まで大丈夫だったのだから、これからも大丈夫じゃないかなどと思い込みたい誘惑に負けそうでした。

そんなこんなで探し続けていると、欲が出てきて終わりがなくなるのですね。
もっと良い条件の土地があるはずと思ってしまうのです。

でも、どんなにたくさんピックアップしても、すべてはタイミングと運によって決まってしまうのではないかという気がします。

事実、私の場合がそうでした。

検討に検討を重ね、10数箇所をピックアップしました。

海、見えます。
津波、高潮、大丈夫です。
土砂災害、山地災害、セーフです。

あとは現地で雰囲気をつかみ、比較検討するだけとなりました。

いよいよ現地へ

現地へ行くのに旅費がかかるのは当然です。
けれど、たとえそれが人生を左右する重要な旅であっても、なるべく出費を抑えたいと思うのも当然です。

せっかくの沖縄旅行なのに贅沢をしないのは何だかなぁというかたには参考にならないかも知れませんが、格安ツアーの利用が便利でした。

時期や日程で価格は上下しますが、ホテルの宿泊付きで往復航空券がリーズナブルに購入できます。
沖縄ですので、オプションでレンタカーが付けられれば申し分ありません。

レンタカー利用のコツ

沖縄でレンタカーをスマートに使う

ちょっと寄り道します。
耳寄り情報をお届けしましょう。

沖縄に観光で訪れる人たちは、その多くがレンタカーを利用します。
私たち夫婦も何の疑問も持たずレンタカーを使っていました。

最初のうちはフツーに那覇空港に迎えに来てくれ、かつ出発日は空港まで送ってくれる近くのレンタカー会社を利用していました。

ところが、あるとき気がついてしまったのです。

フツーに借りるとこんなふう

各地からの到着便にはそれぞれ数百人のお客さんが搭乗しており、一気にレンタカー会社の送迎バス乗り場へと殺到します。

送迎バス乗り場は1階到着ロビーを出て横断歩道を渡ったところです。
そこで各社の送迎バスを待つのですが、早く並ぼうが遅く並ぼうがその時間帯に到着予定の予約客がほぼそろうまで乗車したレンタカー会社のバスは出発しないのです。

心弾ませながら、これから何日間かの沖縄観光に思いを馳せるのはけっこうですが、時間がもったいないのです。

いつもここでちょっとイラッとしてしまう私をどうか許してください。
でも私事で恐縮ですが急いでるんです。

いよいよ送迎バスが、レンタカー会社の営業所へ向け出発します。
でも、そこからがもっと大変なんです。

各社営業所があるのは那覇市街のそれぞれの場所なのですが、空港から市街へ向かう一本道が大渋滞します。

そりゃそうです。

送迎バスだけではなく、観光バス、路線バス、タクシー、送迎マイカーが到着便に合わせ時を同じくして集中するわけですから。

それで終わりではありません。
お次はレンタカー会社での手続きです。

ご想像どおり、カウンターには長蛇の列ができるのです。

必要書類の作成、運転免許証のコピー、保険の説明、支払い、クルマ周りのチェックなど、予想以上に時間がかかると思っておいてください。

オススメ裏技

そこでおすすめなのが、宿泊するホテル近くに営業所があるレンタカー会社を利用する方法です。

那覇空港に到着したら、モノレールでホテルの最寄り駅に直行してしまいます。

ホテルに荷物を預けるも良し、チェックインするも良し、レンタカーを借りに行くも良しです。

時間短縮に絶大な効果がありますので一度試してみてください。
拍子抜けするくらいスムーズにレンタカーを借りることができるはずです。

念のためレンタカーを返すときのこともお伝えしておきます。

時間にはたっぷり余裕を持って返しに行きましょう。
借りるときほどではありませんが、みんな考えることは一緒、やはり出発便は重なるものです。

ギリギリで返しに行くと思わぬ混雑が待っています。

私たち夫婦も、何度空港で走ったことか。

朝早くから動きましょう

話をもとに戻します。
到着したその日は、時間があれば近場の物件を見に行きますが、午後の遅い時間ならばコンビニ弁当を買い込み、ホテルで物件回りのルートチェックをしていました。

国際通りのど真ん中のホテルであっても、観光気分を味わうということはありませんでした。

現地確認の朝は早ければ早いほどグッドです。
那覇市内の朝の通勤渋滞を避け、それより早く行動を開始するのです。

何度か通勤渋滞につかまったときは、東京都内の恐怖の交通渋滞に慣れてはいたものの、けっこうシビレました。
なんたって通勤手段がほとんどクルマなのだから仕方ありません。

どんなイベント事でもそうですが、朝早く動き出しておけばその日はずっと順調に進むはずです。

段取り

沖縄本島は那覇市のある「南部地域」、若者に人気の北谷町(ちゃたんちょう)がある「中部地域」、辺野古埋め立てに揺れる名護市がある「北部地域」の3地域に分かれています。

沖縄県はこの3地域プラス離島の「宮古・八重山地域」から成り立っています。

私たち夫婦は、5回の沖縄行きで本島3地域をくまなく走り回りました。

段取りとしては、最初にできるだけ早く購入したい物件を探し出し契約に持ち込むことにしました。
そしてその近くに仮住まいの家またはアパートを探し、すみやかに賃貸契約を結ぶという運びです。

購入したい物件は10数箇所ピックアップしましたが、狙いは2箇所ほどに絞っていました。

候補地浮上

沖縄の海の見える土地というのは、伸びやかな景色を見慣れていない私たち夫婦にとっては、どこへ行っても実に素敵です。

そんな中で、予算と広さと雰囲気を考え合わせ、最終的には南部地域のとある物件を購入したいということになりました。

平成28(2016)年8月、3回目の土地探しでその物件を確認し、扱いの不動産会社にも購入したい旨を伝えたのです。
その後、電話でのやり取りを重ねたものの、売り主の意向が曖昧で日にちばかりが過ぎて行きました。

やっと9月半ばになり売り主の意向も固まったとのことで、10月に契約を取り交わすということで合意しました。
といっても電話での口約束ですけど。

先に「すべてはタイミングと運によって決まってしまうのではないか」とお話しましたが、まさにここからがミラクルでした。

10月の契約に合わせた4回目の沖縄行きとなりましたが、今回はログハウスの建築会社社長にも現地を見てもらうということで、那覇で落ち合うことにしました。

バンジキュウス!

その購入予定地を見たログハウスの建築会社社長は、色よい返事をしないのです。

立地が建築に不向きで、形状も海を臨むには造成を要するとのことでした。
え〜っ!

万事休すか?

もうヤケクソで、一応予備として用意していたもう1箇所の気になる物件を提案してみました。

その物件は北部地域にありました。

一応海は見えると宣伝していますが、写真はどこか頼りない雰囲気が漂っています。
明日は契約という状況だったので、とりあえず現地を見に行こうということになり、その社長にも同行してもらいました。

最後の物件

近くの空き地からは確かに海が見えました。

けっこうな山の上で見晴らしは上々です。

売出し物件はというと、こんもりとした原生林に覆われ広さもよく分からず、海の方角が開けているのかどうかハッキリしません。

ただ、ログハウスの建築会社社長は「形状的にはこっちのほうがイイと思う」と好感触です。

決断

まあ、それならここにしよう。

すんごく安易に決めてしまいました。
買う気満々だった南部地域の物件を否定されテンションがた落ちのうえに、これ以上持ち玉がないので半ば投げやり、時間もないし焦りはマックス。

こんな形で大きな選択をしたくはなかったのですが、成り行きでもう南部地域の物件を扱う不動産会社に断りの電話を入れてしまいました。

その前にこの北部地域の土地を扱う不動産会社には購入の意思を伝え、まだ人手に渡っていないことを確認したのはいうまでもありません。

こうして私たち夫婦は、本島北部の本部町(もとぶちょう)というところに土地を購入することになったのです。

その時点では、その土地から海が見えるかどうかまだ確認していなかったのですが、不動産会社の「あぁ、伐採すれば見えるはずよ〜」という沖縄独特の言い回しを信じることにしました。

大丈夫かいっ!?

世間知らずの無謀な買い方ですので、皆さんは真似しないでください。

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