移住の話

家を売ろう!

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借金をリセット

ローン残高ン千万円をクリアにするためにはどうすればよいのか。

この先、収入予定はありませんでした。
職場を退職すれば、退職金として結構な金額が入ってくるのは予想できましたが、確実な金額は分かりませんでした。

それに、退職金は最後の切り札的に残しておいた方がよさそうだなぁという感覚があったので、いきなり手を付けるのにはかなりの抵抗感があったことも確かです。

それでもそれをあてにしなければ、最初の一歩が踏み出せないことは明らかです。

あちらの家

さらば退職金。

当然といえば当然です。
ほかに収入がないのであれば退職金でローンを返済するしかありません。

問題はそのあとです。
妻の実家に入らないとなれば、移住先に住まいを見つけなければならないのです。

「介護と移住」のところでお話しましたが、妻の希望により沖縄本島へ移住するという大方針はゆるぎないものです。

加えて、海の見える場所に土地を買ってログハウスを建てたいなどと、突如具体的でかつ贅沢な条件をサラリと出してきました。

妻にもプランがありました。

30数年の医療従事経験を活かし、沖縄で介護事業を立ち上げたいというものでした。
妻の友人の中にはそういう事業を立ち上げ頑張っている人もいますので、あながち無鉄砲なプランでもありません。
そういう施設を作るには、利用する人が気持ちよく過ごせる場所でなければなりません。

だから「オーシャンビューのログハウスがよい」と妻はいいます。

資金を工面

魅力的な提案ではありました。
オーシャンビューのログハウスですから。

だけど資金は?
どう工面する?
あるのは家だけです。

貸すのか売るのか

ならばこの家を売るか?
売りたくないのはやまやまだけど、ではどうする?
そのまま持っていて、人に貸すというのは?

その賃貸料でローンを返済し、さらにあわよくば収益も出ないか?
自分の都合のよい方へ、よい方へと考えたくなるのは仕方のないこと。

だって、にんげんだもの(by 相田みつを)。

売るとしたらいくらになるのか。
とりあえず、自分の家が相場ではどのくらいの値が付いているのかを調べてみました。

同レベルの売り出し物件をネット検索してみると、う〜ん微妙な価格でした。
あれだけ借金をしてこの価格?というレベルです。

普通に売り出したのでは買い叩かれるのがおちだと判断しました。

こちらの家

この家は、2度目に建てたものです。

最初は30歳のときに建売住宅を購入し、2度目の家は40歳のときに建てました。

最初の家を売っても、売却価格は購入価格を大きく下回ってしまいました。
バブル崩壊以降、値上がりを見込んでいた土地の価格が落ち込んだままだったので、利益どころか損失が出てしまう結果となりました。

「借金も財産のうち」だと信じてやまない私たち夫婦は、それでも全然へっちゃらでした。
いつか注文建築住宅に住みたいという夢を叶えたのですから。

その夢を叶えてくれたのは大成建設でした。

いまは商品自体なくなってしまい残念ですが、2×4の木造住宅で「空間王」という商品名です。
いわゆる高機能住宅で全館密閉型の完全空調方式です。

けっこうな街中に土地を購入したので、外気の取り入れや騒音が気になっていましたが、さすが都市型の高機能住宅です。
15年以上経っても快適さは維持されていました。

専門家の客観的意見

そのお気に入りの我が家を二束三文で手放すわけにはいきません。

そこで大手建設メーカー大成建設のネットワークに望みを託し、我が家のアフターサービスを担当していたYさんに事情を話しました。

長いお付き合いだったのでYさんは残念そうでしたが、そういう事情ならということで紹介してくれたのは、系列不動産会社の大成有楽不動産販売でした。

ほどなく同社のHさんから連絡があり、まずは相談に乗ってもらうことになりました。

できれば売りたくないという気持ちや、沖縄に移住するという事情は最初に説明し、率直にアドバイスを求めました。
私たち夫婦としては、賃貸収益でローンの残債を払っていければいいなぁと簡単に考えていたのです。

Hさんは、私たちを傷つけないよう慎重に言葉を選びながらやんわりとその考えを否定しました。

まず、借り手が直ぐに見つかるかどうかということ。
つぎに、安定的継続的に借りてもらえるかどうかということ。
そして、維持管理は代行できるとしても立会いが必要な場面で対応できるかどうかということ。

それらを考えると賃貸収益を見込むより売却したほうが、余計な心配をせずにすむし、無駄な出費もないということでした。

腹をくくる

至極ごもっともです。

頑張って建てた我が家を手放すのは惜しいのですが、転居先は沖縄です。
雑事に引きずられて、これからホントに取り組まなければいけないことに集中できないのでは本末転倒です。

Hさんの的確なアドバイスのおかげで、やっと迷いが吹っ切れました。

家を売ろう!

そのお金で第2の人生を切り拓こう!

そうと決まれば行動あるのみです。
その日から家の片付けや補修、掃除を始めました。

築17年の我が家をできるだけよい状態にして、買いたいという人にお買い得感を持ってもらうのです。

少しでもよい値段で買ってもらいたいと思うのは人情ですから。

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