退職金頼み
退職金でこれまで住んできた家のローンを一括返済し、その家を売ったお金で移住先に新しい家を建てるという大方針が固まりました。
その大方針を具体化するには、まず何をしなければならないのか。
そう、職場を辞めて退職金をいただかなければ1ミリも動かないのです。
職場に伝える
これは大決心です。
いつ、どう切り出すかが問題です。
職場に退職の意思を伝えなければなりません。
いちおう常識人のつもりなので、いきなりトップに伝えたりはしません。
それに私の勤めていた職場は大きな組織です。
いちおう常識人のつもりなので、決まりごとは守っていました。
大きな組織ではどこでも同じですが、スジを重んじます。
報告は直属の上司にしなければなりません。
ひとつ飛び越えて伝えたりしたら大変です。
直属の上司は「聞いてないよ」とご機嫌ななめ。
飛び越しで伝えられた上司は「順序があるでしょ」と面倒くさそう。
そう、順序よくスジを通して報告しなければ1ミリも聞いてもらえません。
タイミングが決め手
それから、これは組織うんぬんではなくコミュニケーションのテクニックになりますが、午前中にこういった私的案件を持ち出してはいけません。
事故を起こしたとか、身内が亡くなったとか、そういう緊急性のあることなら別ですが、相談要素が大きい「辞めたいと思ってるんですが」的な案件は午後にすべきです。
もっと踏み込んでいえば、上司が昼食を終え休憩もしっかり取った頃合いとか、午後一の仕事を終えてまったりしている頃合いなどを見計らって、穏やかな調子で「ちょっとお時間よろしいですか?」と切り出すべきです。
あなたが上司の立場だったらどうでしょう。
ただでさえ多忙。
出勤前から朝一の予定で頭いっぱい。
毎日ぎりぎり勝負の連続。
一息つけるお昼休み。
これでちょっと心にゆとりが生まれます。
そう、そこです。
そのタイミングで切り出せばいいのです。
「あの、ちょっとお時間よろしいですか?」
参考事例
私の場合、お昼休みが終わり上司がまだまったり感を引きずっているように見えたその瞬間に決行しました。
もちろん、あらかじめ何度もシミュレーションをしていたので、穏やかに順序立てて要領よく説明したつもりです。
ナイスタイミング
私 :あの、ちょっとお時間よろしいですか?
上司:ん?なに?
私 :実は、急な話なんですが近々退職しようと思っているんですが。
上司:えっ!そうなの?なんで?
私 :その〜、カミさんの両親が、もうちょっと厳しくて・・・介護が必要な様子で・・・沖縄に住んでいるんですが・・・向こうへ行って・・・私の親も連れていくんですが・・・
もう、グダグダです。
いま思い出しても変な汗がにじみます。
幸い、とてもよい上司で、私のいいたいところを必死に聞き取ってくれました。
ちょっと前に同様のケースで円満に退職手続きを済ませたから、安心して任せてと励ましてもくれました。
違う意味でナイスタイミングでした。
熱量は力なり
いいんです。
要は熱意なんです。
「私、辞めなきゃならないんです」ってことを真摯に伝えようとすれば、思いはちゃんと伝わるのです。
それが平成28(2016)年4月末のことでした。
それから業務引継書を大急ぎでつくり、未処理の業務を順次片付けていきました。
退職手続きもなんとか済ませ、立つ鳥後を濁さずです。
業務を引き継ぐ人たちにコマゴマとお願いしつつ、これまでお世話になった上司、同僚に感謝の気持ちを伝えて職場をあとにしました。
辞めることを伝えた日から2ヶ月後、6月末のことでした。
鉄則
仕事を辞めるときよくいわれるのは、1ヶ月前には職場に話しておかなければいけないということです。
大きな組織であれば支店というセクションの事情にとどまらず、補充人事をどうするかという本店がらみの事情にも発展していきます。
それはそれは大勢の仲間にお手数をおかけすることとなるのです。
いや、それは組織本来の業務であって、自分が辞めることで迷惑をかけるということではないなどと屁理屈をこねてはいけません。
やはりそれは余計な仕事なのです。
社会人としてのマナーは守りましょう。
仕事を辞めるときはぜひ円満に。
これから気持ちよく人生の再スタートを切れるように。