沖縄に住むようになって気付いたのですが、内地での出来事というのはとても遠いところのものに感じてしまいます。
今や世界中に蔓延している新型コロナウイルスについても、当初は完全にヒトゴトでした。
ちょっと思い返してみます。
令和元年(2019年)11月に新型コロナウィルスの発生が中国の武漢市で確認されました。
国内初感染の確認は1月16日で、武漢市から帰国した神奈川県在住の男性。
沖縄県初感染の確認は2月14日で、集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が那覇港に寄港した際、その乗客を乗せたタクシー運転手の女性。
これらの報道を見聞きしていたころは、「そういえば以前中国でSARSが発生して大変なことになったね」などと言い合っていました。
その時は、まさかそれを超えるパンデミックに拡大することなど、日本中の誰も予想していなかったはずです。
ところが、それこそ「あっ!」という間に世界中に感染拡大し、日本国内では発生からたった5カ月の4月7日、7都府県に対し緊急事態宣言が発せられる事態となりました。
テレビでは、緊急事態宣言の発出が遅すぎると批判する専門家が後を絶たないほど、医療や経済の現場が混乱し始めていました。
連日、テレビのニュースやワイドショーは、この新型コロナウィルス一色。
4月16日には緊急事態宣言が全国に拡大されました。
ここ沖縄は感染者数こそ全国的には目立たない数(4月18日現在111人)ですが、人口比で見ると東京都を凌ぐ勢いなのだそうです。
自治体順では17番目に多いのですから、特定警戒都道府県(特に重点的に感染拡大防止の取り組みを進めていく必要がある自治体)になってはいませんが、大差ない状態です。
私は現在、本部町に住んでいるのですが、4月11日まで本島北部では感染者は確認されていませんでした。
4月12日になって初めて名護市で30代の女性が感染の確認を受けました。
この女性の例に限ったことではありませんが、感染と確定した日付が確認の日であり発病の日ではないのです。
ということは、おそらく発病から確定の日までに、何らかのかたちで感染が拡大しているかも知れないということです。
そうは言っても、システム上発病から確定までに時間がかかるのは、必要な手順があることを考えれば仕方のないこと。
このような手順が必要とされるまでに様々な試行錯誤があったのでしょうから、不平を言っても始まりません。
この状況の中でいかに感染を防ぐかは、私たち一人一人の自覚によるところが大きいわけで、誰かがなんとかしてくれるわけではないのです。
感染がすぐ隣りの街まで迫ってようやく、新型コロナウイルス感染は遠くで起こっているヒトゴトではなくなりました。
これまでは、街なかでマスク姿の人を見かけることも少なかったように思いますが、その姿はすっかり定着しています。
生活への影響も次第に大きくなって来ました。
これが那覇あたりだと内地の情報にけっこう敏感です。
距離は離れていても時間的には近いからではないでしょうか。
東京から飛行機で2〜3時間ですから。
それが本島北部となると、一気に遠さを感じてしまいます。
遠いということが良いのか悪いのか、判断の分かれるところです。現象面では情勢に左右されにくいということも言えます。
要は人それぞれ価値観の違いで受け止め方も異なるというところに落ち着くのですが。
ちょっと窮屈ですが、スローなやんばるの日常を送りながら感染拡大防止に努めています。