沖縄メモ 移住の話

暮らし その1

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名護市役所
名護市役所

利便性考

名護市の印象

仮住まいのために名護市内に借りたアパートは、とても便利な場所にありました。

生活に必要なものは、ほとんど歩いて買いに行けました。
これ、重要なポイントです。

沖縄の北部地域を「やんばる(山原と書きます)」と言います。
山野原野の「やんばる」ですから、歩いて生活物資を調達できる場所などごくわずかだと思ってください。

運良く市街地にアパートを借りられたので、歩いてみようかという気になりますが、やはり郊外ではそうもいきません。

皆さんがお住まいの地域でも、郊外のことを想像してみてください。
このご時世、歩いて出かける姿を見かけることは少ないはずです。

そんな歩いて出かけられない地域が圧倒的に多い「やんばる」において、ここ名護市の新居は引っ越し前の住まいに、利便性という面で近いものを感じました。

逆に環境面を比べると、山好きの私には非常にコメントしにくいのですが、やっぱり歩いて20分でビーチに行ける名護の勝ち!ということになってしまうでしょうか。

名護市は、沖縄らしさが凝縮された街です。

名護市のゴミ収集

パンフレットにびっくり

ゴミの分別は気になるところですが、名護市は沖縄一細分化されているのではないかと聞きます。

引っ越して2日後、市役所へ転入届を出しに行った際に「ゴミの分け方・出し方」というパンフレットをもらいました。
一般的にゴミの分け方なるパンフレットは、大きめの表裏カラー印刷一枚ものっていう認識でいました。

ところが名護はなんと、30ページもある豪華カラー小冊子なんです。

ゴミの出し方を覚えるのに1ヶ月以上かかったと思います。

理想と現実のハザマで

だいたい、このパンフレット、ちゃんと読みこなしているヒトいるのでしょうか。
出入りの激しいマンション・アパートのゴミ集積場は悲惨な状態です。

我が家が入居したアパートも悲惨でした。
「ちゃんと出そうね」的な注意書きがしょっちゅう掲示板に貼ってありました。
挙げ句の果てには、いい加減ちゃんと出さないと「有料にするよ」的な警告文にエスカレートしてました。

収集車の作業員もきっちりしてました(当然か)。
ちょっとでも間違っていると持っていってくれません(あたりまえか)。

住民の品格という問題

すごいのは、ゴミを出す方です。
収集車が持っていかなかったら、ちょっと見ればウチのだなって分かるはずなのにどうあっても引き取らないのです。

そのまま放置です。
管理会社がときどき片付けたり、分別し直したりしているようでしたが、結局イタチごっこで、常に集積場にゴミ袋の山があるという状態でした。

性格上、そういうのが嫌いなものですから、出来る範囲で片付けてみたりしましたが、結局「切りがねぇ〜っ!!」と泣きが入ってしまいました。

全国どこでも問題になっていることだと思いますが、ちゃんとしてるところはちゃんとしてるんですよね。
共有部分だって自分の住まいだと思えれば、汚したままにしておくのは気持ち悪いはずなんですけどね。

我が家の近くのアパートには、部屋ごとの集積ブースを設けているところもありました。
しかし、どの家がどんなゴミを出しているか、外から丸わかりでした。

妻に言わせると、「きれいだけど、私はいやっ!」と一蹴してました。
さすがに永く住んでいる一戸建ての家の指定場所はきれいにされているのですが、これは住民のモラルに依るところが大きいのでしょうか。

解決策は?

それにしてもゴミの分別を細分化するという方法はどうなんでしょう。
出し方に慣れても、やっぱり間違って分別してしまうことだってあるわけです。

聞くところによると、きちんと分別されていないので、クリーンセンターの職員が再度チェエクしなければならないのだそうです。
そういうムダをなくすため、いっそ住民に分別を求めない自治体もあるそうです。

自動化された分別システムを導入しているのだそうですが、そういうシステムのほうが確実で正確である上に、おカネがかからないということです。
設備費用を考えるとおいそれと導入できるかどうか疑問ですが、それはまた別の問題です。

自分たちの地域社会なのだから、ゴミをちゃんと分別しましょうというルールがあるのなら、せめてそれぐらい守りたいと思うのですが。

名護市の医療

2大病院

名護には大きな病院が2ヶ所あります。
県立北部病院と北部地区医師会病院です。

県立北部病院は、6個ある県立病院のうちのひとつ。
北部地区医師会病院は、地域医療支援病院です。

※ 地域医療支援病院
一次医療を担う「かかりつけ医」を支援し、専門外来や入院、救急医療など地域医療の中核を担う体制を備えた病院で、各都道府県知事から承認を受ける。

沖縄県の地図を見てもらえば分かると思いますが、大きな街は南部中部に集中しています。
沖縄県の真ん中よりちょっと下のところ、くびれてちぎれそうになっていますが、そのあたりから下が南部中部です。

北部はそこから上全部です。
この広い地域に大きな街は1ヶ所、名護市だけです。

北部地区には、その名護市にたった2ヶ所の大病院しかありません。
北部地区全域からこの2ヶ所の病院に救急患者が運ばれて来るのです。

医療過疎地域

沖縄の北部地区は大自然に囲まれ、ザ・オキナワを堪能できますが、その一方で医療過疎の問題を抱えています。

医療過疎とか医療僻地という話になると、有名な「ドクターヘリ」を思い出されることでしょう。
でも、「ドクターヘリ」は法律により配備条件が厳しく、沖縄県北部地域への誘致は出来ないようです。

それに代わり、これまで「MESH(メッシュ)サポート」というNPO法人が、北部地区医師会病院に事務局を置いて民間救急ヘリコプターの運航を支援してきました。
しかし、資金難でヘリコプターを維持していくことができず、2018年11月に撤退。
これにより、北部地域での航空機による救急搬送はなくなってしまいました。

医療技術が発展し続けるこの現代において、救急搬送システムが後退した地域もあったのです。

基幹病院新設の動き

沖縄県と北部12市町村は、県立北部病院と北部地区医師会病院を統合し、北部基幹病院を新設しようと協議しています。
でも、シロウトの私は、新しく計画している病院が、これまでの2大病院を合わせたものより大きな病院でなければならないと思ってしまいます。

そうしなければ病院の数を減らしたも同然になってしまうからです。
ただでさえ少ない緊急搬送先の選択肢が減るじゃないですか。

それに2ヶ所に振り分けられていた受診者が1ヶ所に集中するわけですから、より混雑がひどくなると思うのです。
そういうことは専門家に任せておきなさいと言われるかも知れませんが、どうも気になって気になって。

大病院で診察を長時間待たされるのは、もはやジョーシキではあるけれど、いま以上に時間が長くなるのは耐えられません。

自分中心にしか考えられなくてスミマセン。

名護市の水

沖縄ではウオーターサーバーが人気です。
スーパーマーケットやホームセンターの店頭などでセールスしているのをよく見かけます。

水道水の話になると、皆さん口をそろえて「まずい!」と言うのですが、硬度が高いため、味が苦いと感じるからなのかも知れません。

私はそういうのに鈍いというか、あまり気にならないので、特に「まずい」と感じたことはありません。

ただ確実に言えるのは、浴室の鏡がすごいことになるということです。
ウロコ状の白い水アカがこびりついて、浴室用洗剤でちょっと磨いたくらいではビクともしません。

いくら鈍い私でも、この違いにはさすがに気がつきました。
これまで内地では経験したことのない汚れです。

キッチンの流し台もそうです。
水道の蛇口まわりやステンレスのところなど、すっかり浴室の鏡と同じで水アカがこびりついた状態なのです。

これは、水道水の中にカルシウムやマグネシウム、ケイ素などのミネラル成分なるものが含まれていて、これが結晶になってこびりつくのだそうです。

こういうのを見ちゃうと、ちょっと苦いだけで「この水まずい!」と感じてしまうのも仕方ないと思います。

我が家では、妻が水にうるさいです。
ウオーターサーバー設置に前向きでした。

生活用水のうち、飲料用だけ買ってくるという選択をして、結果ウオーターサーバー設置となるわけですが、我が家は移住当時荷物があふれる仮住まいでした。
半年、長くても1年すれば家が建つことを考え、それまで我慢することにしました。

11ヶ月間の仮住まい後、本部町(もとぶちょう)の家に引っ越すことになるのですが、結局ウオーターサーバーは置きませんでした。

軟水器というものを取り付け、家全体の生活用水を軟水にしたのです。
そのへんの詳しい事情はまたあとで、本部編のときにお話いたします。

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