移住の話

家を売るまで

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それから

家を売る決心をしてから、何をどうしたのかご興味のあるかたは参考にしてください。

売却契約

大成建設のYさんに紹介していただいた大成有楽不動産のHさんとは、お会いしたその日のうちに契約を取り交わしました。
「私はお宅の会社にお願いして家をうります」という契約です。

家の価値を見定める査定を受け、売出価格を決める打ち合わせまで済ませました。

3時間くらいかかりましたが、済ませておけることは早めにどんどん済ませます。

具体的な価格についてはゴメンナサイですが、提示された額がどのような理由でそうなったのか、また、売出価格はどのような理由でそうするのかをハッキリと説明していただけたので納得できました。

逆にいえば、そのような 説明がなされないようでは安心して売却を任せられないということです。

査定

査定は不動産会社の売却予想価格で、その会社が一定期間販売活動を行った場合に売れる価格のことです。
この査定価格を基準に売値(売出価格)を設定するのですが、精度の高い査定を受けておけば具体的な売値を決めやすいということになります。

精度の高い査定をするためには、不動産会社による訪問査定が必須です。
家の内外の状態、周囲の環境、日照や騒音、維持管理状態など細部にわたってチェックしてもらいます。

我が家の場合、Hさんの他にもう一人別の営業所から担当の方がチェックに入りました。

そこは大手の強みです。
すでにこのとき、系列営業所で我が家の周辺地域に家を探している顧客を把握していたのです。

売値設定

それにしても売値を決めるのは実に難しいと感じました。

我が家は注文建築のいわゆる高機能住宅でしたから、相場の価格よりちょっと強気の設定をしてもらいました。

買い手が「ちょっと高いけど、まあイイ買い物かな」と思える価格です。
「この環境で、この建物で、その上この価格だけどどうよっ!?」って感じです。

周辺には「土地も建物も狭いけれど新築の物件」というのがいくつもあって、家を探している人は当然そういう物件と比較するでしょう。
ちょっと予算を増やせば新築に住めるのですから。

かたや新築住宅に対して、こちらのアピールポイントは「広さ、環境、住宅の質」ということになります。

Hさんは、限界ギリギリの価格設定に値引き予定額を上乗せして系列営業所の担当者に伝えることにしてくれました。

その購入を希望されたかたは提示価格に迷うに違いなく、必ず値引き交渉をしてくるはずだから、そのとき織り込み済みの値引きをして差し上げるという寸法です。

レアケース?

その作戦が功を奏し、さほど時間もかからず先方は「ほぼ買い」の意向を担当者を通じて伝えてきました。

ただし、売買契約前に「内見」というステップがあり、これは売出し物件を購入希望者が事前に見に来るというもので、いわゆる品定めです。

Hさんからは、できるだけ印象が良くなるよう念入りに清掃をしてくださいとアドバイスされました。

いやいや、お安い御用です。
こんなにスムーズに購入してくださるかたが見つかるなんて思ってもいなかったですから。

そのへんのことも実はいろいろ裏事情があったのかも知れません。

我が家のようなケースは稀で、通常は仲介不動産会社を探すことから始まり、その会社の販売活動による成果を待つというプロセスを要するのです。

そういう意味ではラッキーだったというべきです。
けっこうな時間短縮になったことは間違いありません。

ただ私が皆さんにお伝えしたいのは、そういうことではなく、シルバー世代が沖縄へ移住するということの実情であって、ラッキーだとかアンラッキーだとかを問題にしているわけではありません。

私の体験をご紹介することで、皆さんご自身の行動に役立つかどうかが問題なのです。

決め手

そんなこんなで緊張の内見も無事に終えました。

購入を希望する先方のご家族全員が来られ、念入りにチェックして行かれました。

私なりに分析してみましたが、ご夫婦はこの家を気に入ってはいるけれど、最終的な決め手が欲しかったのではないかと思います。

お子さんが3人いらして、建築当時の我が家の家族構成と近いものがありました。
ですから間取りとしては申し分ないはずでしたし、高層マンションが立ち並ぶ街なかに一戸建てのマイホームが持てることは、きっととても魅力的であったのではないかと思います。

最終的な決め手は、ズバリお子さんたちの意見ではなかったでしょうか。

ご夫婦それぞれが何度も3人のお子さんに感想を聞いていたことが印象深く残っています。
幸いお子さんたちも気に入ってくれたようで、内見から1週間後には売買契約にこぎつけました。

私たち夫婦も、この家を建てる際には子どもにとって楽しい家であるべきだという思いでしたから、それがよい結果を運んできてくれたのでしょう。

退路を断つ

かくしてこちらの家を売るという関門は通過しました。
平成28(2016)年5月下旬のことです。

引き渡しは「翌年1月末日までに」ということになりました。
家をすっかり空っぽにし、ピカピカに掃除をして、購入したかたへ家の鍵を渡すのです。

これで退路は断たれました。

それまでに何とかしないと、私たち家族は宿無しで路頭に迷うことになります。

売買契約を終え、契約場所の不動産会社を出ると五月晴れの青空がことさらまぶしかったのを思い出します。
その青空を仰ぎながら、私たち夫婦は気を引き締め直し決意を新たにしたのでした。

この日を基準にしてすべてが動き出しました。

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