移住の話

引っ越しあれこれ その2

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荷物搬入後、足の踏み場もない室内

スタッドレスタイヤ

定年退職したら、妻と一緒に好きな山登りをして毎日楽しく過ごそうと思っていました。

降って湧いた介護話で移住することとなったのですが、その夢はまだ継続中です。
沖縄でも山登りはできるし、その気になれば内地まで行けばよいだけのことだからです。

沖縄には標高の低い山しかありません。
けれど登山人口が少ないということもあり、整備されていないことが多く、なかなか険しい山道ばかりなのだそうです。

と…山登りの話がしたいのではありませんでした。
本題に戻します。

沖縄では、冬山シーズンを控え雪に備えるという感覚はゼロです。
つまり冬を迎え、愛車のタイヤをスタッドレスに交換するという恒例行事はないのです。

私は、クルマで登山口まで行くというスタイルを好んでいたので、当然スタッドレスタイヤを持っていました。
首都圏とはいっても山に近い場所でしたので、冬を迎えればタイヤを交換するのがフツーで、山登りをするから特別というわけでもありませんでした。

ピカピカのアルミホイールが付いたスタッドレスタイヤは、けっこう気に入っていたので倉庫に大切に保管していました。
沖縄移住を決意してからずっと気になっていたのですが、いよいよ引っ越しが間近にせまり後がなくなりました。

移住したらスタッドレスタイヤは必要なくなります。
残念ですが、いくら気に入っていようが使わないものは処分するしかありません。

せめてどこかに買い取ってもらえないか、そう思いインターネットで調べてみました。
テキトーにクリックし、自宅に近い店舗があるメーカー(「UP GARAGE」)へ持ち込むことにしました。

ネット情報ではけっこうな値段で買い取ってもらえるような気にさせられます。
でも、それはすごいマニアなヒトが程度の良い高価な品物を持ち込んだ場合のお話です。

私のようなフツーの人間は、フツーの品物しか持ち込めないという現実を見落としてはなりません。

何万円くらいになるかなぁ、などと浮かれている私に、スタッフのかたは表情のないまま事務的に言いました。

○千○百円になりますね。

ステンドグラス

妻の知り合いの息子さんに、ステンドグラスの工房(有限会社グラススタジオウルガ)をなさっているかたがいます。
移住前の家には、身の程知らずにもその工房にお願いしてオーダーしたステンドグラスが入っていました。

さて家を売るとなると、これをそのままにして一緒に売ってしまうのはあまりにもバカです。

いわゆる「ゲージュツ品」ですから。

その息子さんが、ご自身のホームページでおっしゃっています。

 丁寧に作られたステンドグラスは数世紀という時間、輝き続けます
世代を超え同じ、色を、光を見る
そう考えると、会うことの無い未来の子孫への
タイムカプセルを作っているようなロマンを感じます

そこまで言われたら、これは私の子孫に見せなきゃいけません。

スライドして上下させる窓にハメ込むかたちで作ってもらったのですが、これを移住先に持っていくにはどうすれば良いのか。

工房に連絡し、その息子さんに聞いてみました。

ログハウスに入れるのであれば、2枚に分かれているステンドグラスを、加工して1枚の大きなものにするほうが作品の良さをより引き出せるのではないかとのこと。

ゲージュツ家の先生が言うのですから、間違いないです。
迷うことなくお願いしたのは言うまでもありません。

慎重に取り外し、工房へ持ち帰って作業してもらいました。
完成まで日数がかかるということでしたので、出来上がった作品はログハウスの建築会社に送ってもらい、組み込みまでをお任せにしました。

何度も言いますが、ステンドグラスは「ゲージュツ品」ですから、もちろん高価ではあります。
今回依頼した費用もなかなかでした。

でも皆さんお察しください。

未来の子孫に見せるものです。
ケチってどうするのですか?

でも何より重要なポイントは、妻の知り合いだということです。

だから費用につてはノーコメントとさせていただきます。
あしからず。

日本人形

日本人形ってどんなものか分かります?

雛人形も日本人形なのだそうですが、和服を着て日本髪を結った、木枠のガラスケースに入っていることが多いあの人形をイメージしてください。

我が家にはその日本人形が3体ありました。
二人のムスメが誕生して、何かの節目にどなたかに頂いたものです。
どの人形を二人のどちらに、そしてどなたから頂いたのか、大変申し訳ないのですが、まったく覚えていません。

このコワレモノ扱いの繊細な人形たちには、今回の引っ越しを辞退してもらうことにしました。

ムスメの成長を見守ってもらった人形たちには、とても感謝していたのですよ。
感謝していたのですが、もう役目も終えたことでしょうし…。

分かります?
この罪悪感。

処分したんじゃありません。
業者さんに引き取ってもらったんです。

屁理屈、言い訳、自己弁護。
何とでも言ってください。

「お疲れさま」という人形へのねぎらいの気持ち。
「ありがとうございました」という頂いたかたへの感謝の気持ち。
「ごめんなさい」という拭いきれない謝罪の気持ち。

いろんな気持ちがあるけれど、断捨離しなければいけない状況なわけで…。

必要ない物を手に入れることを「断」ち、不要な物を「捨」てることにより物への執着を切り「離」そうと決めました。

私は、ヨーガに凝っているわけでも、作家のやましたひでこさん(断捨離の提唱者と言われています)に影響を受けたわけでもありません。
必要に迫られて実践したのですが、いま振り返るとイイ考えなのかも知れないと思えます。

実際、「物」にこだわってずっと家に置いてあったはずなのに、17年住んだ間でその存在に気持ちを傾けたのは、おそらく17回程度だったに違いないのです。

年末恒例、年に一度の大掃除のとき、「あ〜ぁ、こんなにホコリだらけになっちゃって、かわいそうに」と。
普段は気にも留めていないのに。

だから人形への執着を切り「離」してみました。

フリーマーケット

どこのお宅でも女性陣の発言力は絶大なのではないかと思います。

我が家の場合、身内での集まりというと、女5人、男2人というのが最大のパターンです。
男2人というのは、ムスコと私です。

これ以上何も言う必要はないと思います。
「多勢に無勢」です。

いえ、彼女たちは決して男2人をないがしろになどはしていません。
ちゃんと意見を聞いてくれます。
彼女たちが決めたことについてどう思うか的な意見を求められるのです。

ムスコも私もたいてい「う〜ん」と言って考えます。
彼女たちがシンキングタイムとして与えてくれるのは、正確に測ったことはありませんが、3秒くらいでしょうか。

ムスコもきっとそうだと思うのですが、うっかりしたことは言いたくないのです。
経験上、学習しているので分かるのですが、彼女たちは既に結論を出しているのですから忖度(そんたく)する必要があります。
すると、自然、回答が遅くなってしまうのです。

でも、彼女たちは決して待ってはくれません。
3秒後には、話題は進行し始めているのです。

引っ越しを計画してから、家の物を整理し、片付けるにつけ溢れ出してくる不要品を処分しなければなりません。

捨ててしまうほど価値を失っている物ばかりではないので、お金に換える良い方法はないものかと家族それぞれが思案しました。

いろいろな方法がある中で、結果、彼女たちはフリーマーケットという画期的な方法を提案したのです。

売るという行為自体を楽しみたいと言うのです。

実際、換金という目的からすると効率的だとはとても思えません。
だって一日がかりなんですよ。
たくさんの荷物を会場へ運び込み、ディスプレーして値付けして、販売も楽しくやらなきゃダメなんです。
なんせ「お祭り」ですから。

そういった自分の思いのモロモロを彼女たちに3秒で説明し、「もっとほかの方法も考えようよ」と結ぶのは私の能力を越えています。

「そうねぇ…」とか返事しながらそんなことを考えている間に、話はズンズンすすみ、日程調整、具体的段取りへと移ってしまいます。

で、やりました。
フリーマーケット。
ほぼ叩き売り状態でした。

だからいま、声を大にして言います。

効率を求めるならやめておきましょう。
時間的な余裕があって楽しみたいヒトにはオススメですが。

逆にプラス面はというと、あえて言うなら引っ越し前のモヤモヤ感をふっ飛ばすにはモッテコイなのかも知れないということです。

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