基礎知識は必要?
今現在(令和4年11月時点)、自前ECサイト「Taramanjaku」は不具合もなく順調に動いています。
もちろん知名度が低いので販売数は伸びていませんが、大手ECサイトにはできない価格設定で好評をいただいています。
ずぶの素人だけどgoogle先生にいちいち教えてもらえば、きちんと出来上がるものなんですね。
ところが、ホントにコンピュータの知識もなく、ブログも何のことやらサッパリ・・・っていう人にはハードルがかなり高いですよということだけは申し添えておきます。
私がECサイト作りに手を出すまでには、少しばかりの下積み期間がありました。
平成28(2016)年に沖縄へ移住してきてすぐに、宿泊所経営を目指しました。
コテージを経営するんだと意気込んでいたのですが、そのコテージのホームページを作らなきゃということで手を付けたのがことの始まりです。
そのときも、ネット検索に全面的依存という状態でした。
「ネットビジネスへの扉 その2」でもお話ししましたが、私は昔からパソコンをいじるのが大好きで、そこそこの知識は持ち合わせていたのですが、それが幸いしました。
あれやこれやと探しているうち、世界的に多くの企業が採用しているシステムに辿り着きました。
プログラミングの知識がなくても、なかなか立派なサイトを作れるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。
私は、中でもライセンス費用の必要ないオープンソース型CMS「Drupal」(ドゥルーパル)を採用しました。
CMSといっても様々なものがありますが、私の選択基準は、そのCMSを使っている日本企業が多いということでした。
なぜなら、作り方や運営の仕方などの情報がネット上でけっこう簡単に検索できるからです。
オープンソースにはサポートがありません。
どんな結果になろうと、すべて自己責任です。
機能一つ一つの意味を理解し、自分の思い描くサイトを作るのに必要であれば取り入れる。
取り入れたら、それをデザインして使えるように調整する。
うまく動くかどうか試してみる。
動かなければ、自分で原因と解決方法を調べる。
調整に失敗して訳がわからなくなっても、あきらめずにもう一度やり直す。
そんなふうにコツコツと積み上げていくしかありません。
画面に現れる自分の作ったサイトは、すべて自分でいじくった結果です。
すべてが取捨選択の連続で出来上がるまでひと苦労なのですが、サイトのことが隅から隅まで見えてきて、維持していくスキルと自信がつきます。
それに、必要経費を大きく削れることにもなります。
資金が潤沢にある人なら、サイト作成や運営にかかる手間や時間がオカネで解決するのですから、専門業者に依頼したほうがイイでしょう。
外注、カッコよく言えばアウトソーシングですね。
ところがこのアウトソーシングは、とんでもない料金を請求されることがしばしばです。
何十万円、へたすると何百万円もかかるんです。
何十万円で済んだら安いほうかも知れません。
それは仕方ないんです。
ホームページを作るのは労力と時間がかかる作業です。
その作業にかかりっきりになるのですから、それを生業としているプロに依頼すれば当然の金額なんです。
能力のある人を探して自分で雇うより割安だからこそのアウトソーシングであることを忘れちゃいけません。
ただ、オカネは無いけど時間と根性はあるという人だったら、オープンソース型のCMSを使ってみてもイイんじゃないでしょうか。
有料のCMSも魅力的なんですが、自分で運営していくという覚悟があるならサポートはgoogle先生なのでオカネはかかりません。
ドメイン&サーバー
さて、ここからは自前でサイトを作るという厳しい道を選んだあなたのために、詳しくお話ししていきます。
いよいよサイトを作るのですが、まず何が必要なのかです。
ドメイン
ホームページを開設するには、何はなくても「ドメイン」が必要です。
「ドメイン」とは、インターネット上の住所のようなものですが、これを取得すると独自のホームページアドレスとメールアドレスを作成できるため、ビジネスでの信頼を得られることになります。
例えば、あなたがご覧のこのサイトなら「manjaku.site」がドメインです。
メールアドレスは「admin@manjaku.site」ですので「manjaku.site」という所が同じですね。
ということは、どちらも関係ありそうだし信用できそうだなぁと思ってもらえるんです。
双方に一貫性があるという言い方をします。
「ドメイン」は、レンタルサーバー会社かドメイン専門会社で取得できます。
自分のサイトにふさわしい「ドメイン」を考えて、「これがイイんですけど」って申請するわけです。
すると、「ああ、それなら使っている人がいるから別の名前にしてください」とか「はい、分かりました。その名前で登録しますね」って感じで決めるんです。
そして、1年分とか3年分の使用料金を支払い契約成立です。
料金はピンキリですね。
このサイトの「manjaku.site」で言えば、「manjaku」の部分は適当に好きな名前を付ければいいだけなんですが、「.site」の部分はよく考えたほうがイイです。
ちなみにそこは「.com」「.jp」というふうにドメイン専門会社があらかじめ決めています。
「.com」「.jp」なんていう有名どころは年間3,000〜4,000円ですが、このサイトみたいな「.site」は年間50〜60円で済みます。
つまりこんなふうに思えばイイんです。
ドメインが「.com」「.jp」ならしっかりとオカネを払ってちゃんと運営しているサイトなんだなぁと。
逆に「.site」なんて見たこともないし、安く済まそうとしているビンボーサイトなんだなぁと。
自分のサイトをこんなふうに言いたかなかったですけど、例えばですからね、例えば。
ちなみに私は「お名前.com」というドメイン専門会社で契約しました。
サーバー
次に、ドメインを運用するための「サーバー」が必要になります。
今どきであれば、迷わずレンタルサーバーを選びます。
その道に長けているのであれば、自前のサーバーを用意するという選択肢もありますが、費用対効果とか安全性・信頼性を考えれば断然レンタルサーバーに軍配は上がります。
そもそも「サーバー」ってなに?…という声が聞こえてくるような。
お叱りを受けるとは思いつつ、あなたがな〜んも分からないことを前提に荒っぽくお答えすると、インターネットに自分のサイトを公開するためのパソコンです。
Webサーバーと言います。
パソコンと言いましたが、普通のパソコンとは違ってめったやたらとフリーズなんかしないように部品からソフトからぜ〜んぶ調整されています。
なぜかと言うと、あなたのホームページを24時間フルタイムで世界に発信し続けなきゃいけないからです。
と同時に、24時間フルタイムで世界からアクセスできるようにしておかなきゃいけないからです。
だから、インターネットにつながったゆとり性能の、24時間安定して動き続けるコンピュータでなきゃいけません。
自前でそういうサーバーを持つなんて、考えただけでもゾッとします。
ビジネスでホームページを持つのであれば、なおさらです。
ちょっと考えても普通のパソコンより値段が高そうですよね。
電気も食いそうですよね。
メンテナンスもめんどくさそうですよね。
レンタルサーバーは、そのへんの問題をクリアーしてくれるんです。
ただし、たくさんのお客さんが利用するわけですから、訳わかんないソフトはインストールできなかったり、基本的なシステムデータをいじれなかったりと、様々な制約があるわけです。
それが嫌だっていう人、自由にシステムをいじりたい人、そういう人が自前サーバーにこだわるんです。
それには財力と能力が必要なのは言うまでもないでしょう。
素人がECサイトを作るんだったら、レンタルサーバーでじゅうぶん過ぎるぐらいじゅうぶんです。
自由性に優れているという理由で自前サーバーにこだわる必要がどこにあるのでしょうか。
「サーバーにこだわるなんて10年早いわっ!」とお叱りを受けるのが関の山です。
今のレンタルサーバーは、ソフト面でもハード面でも非常に優れており、セキュリティ上の安全性はもちろん、24時間の安定稼働も文句のつけようがありません。
繰り返しますが、サーバーはレンタル一択です。
ちなみに私は「mixhost」というレンタルサーバー会社と契約しています。
月額990円の3年一括払いで34,000〜35,000円ですね。
少し割引きしてるみたいです。
やる気
ドメインもサーバーも必要なのですが、何より大切なのは、やる気です。
絶対作り上げるという熱意も必要です。
そして完璧でなくてもとりあえず公開に踏み切る度胸も必要です。
大丈夫、完全じゃなくても。
最初は誰も見に来ませんから。
周知するために
やっとこさ出来上がったホームページ。
最初に作ったコテージのホームページもそうですが、そのコテージが失敗して収入を確保しようと作ったECサイトでも、悩みのタネは「見に来てもらう」ことでした。
収入がないから、莫大な広告費を使って周知するなんてできっこありません。
アイデア勝負で打開するしか道はありませんでした。
コテージが未完成なので大々的に宣伝するわけにもいかず、かといって口コミだけでは見に来てもらえません。
さて、どうやってこのサイトを周知していったものか。
次なる壁にぶち当たって、試行錯誤の毎日が始まるのでした。
苦肉の策としてgoogleマップに掲載するという方法を思いつきました。
位置情報とリンクしてgoogleビジネスの簡単なホームページも作成し、本サイトへのリンクも貼り付けておきました。
このコテージを建設しようと手に入れた土地は、「ゴリラチョップ」と呼ばれるダイビングスポットのある本部港を臨める高台です。
抜群のオーシャンビューですから地理的には文句なく付加価値があります。
そこで自分が沖縄観光をしようと思ったらどうするか考えてみました。
私ならgoogleマップで面白そうなスポットを探し回るだろうなぁと思ったのがヒントになりました。
この方法はなかなかよかったですね。
未完成コテージながら、毎月5,000件ほど閲覧されています。
問題はECサイトの方です。
販売は本土中心なのでgoogleマップからの検索に頼るわけにはいかないのです。
大手ECモール頼み
気乗りはしないけれど、抜群の知名度を利用して営業するしかないと判断しました。
Amazonや楽天市場のような巨大ECモールサイトに出店することにしたのです。
つまり、自前のECサイト&モールサイトのダブルで販売するわけです。
大手モールサイトには、調べてみると出店条件なるものがあり、私のようなきのうきょうの駆け出しにはけっこうハードルが高いものでした。
楽天市場は出店料金が高くて、貧乏小売店にとっては出鼻をくじかれるという感じです。
Yahoo!ショップは実店舗や実績が必要だったように記憶しています。
申請しましたが、却下されました。
結局、ECサイトのみで前年の課税もないような出来たてほやほやショップが出店可能だったのはAmazonしかありませんでした。
そんなわけでAmazonに出店申請し、晴れてネット販売できるようになりました。
さすがに天下のAmazonです。
全国から受注があるうえ、競合他店より価格が安ければ飛ぶように売れます。
ところが世の中そんなに甘くはありません。
そうです。
転売のところでも触れましたが、値付けの難しさを思い知らされることとなったのです。
加えて、販売システムを理解するには、試しに売ってみるという気持ちでトライし続けないと乗り越えられない壁を感じました。
自前のECサイトを周知させる以前に、Amazonでどうやって利益を産むか。
出店してから2年を過ぎましたが、ずっと悩み続けています。
それほど、ものを売るってことは思うようにいかないってことです。
いつになったらこの大きな壁を乗り越えることができるのでしょうか。